診療内容

1.虫歯治療

痛くない治療

虫歯の治療を行う際に「痛い」と感じるのは、おもに針をさす時と虫歯を削る時です。特に麻酔を打つ際に、表面麻酔を塗布し、針を刺す前に表面に麻酔を効かせることができます。使用する針もかなり細いものを使います。小さなお子さんも笑顔で麻酔をすることができるほどです。

なるべく削らない治療

その一番の理由は、長期に安定してつめものが長持ちするかどうかは、残っている歯が多いかどうかで決まるからです。一本一本の歯を大事にし、いつまでも健康な歯でいられるための治療を私たちは提案します。銀歯(インレー)にする場合、白いプラスチックの詰め物(コンポジットレジン)より削る量は増えてしまうのでなるべく銀歯を避けたいところです。

虫歯の原因

結論から申し上げると、歯が弱かったから虫歯になったのではなく、磨けていないからであることが一番の原因です。二番目に間食が多くお口の中のpHが酸性になっている時間が長いからでしょう。
来院された患者さんに歯磨きはできていますか?とお聞きするとちゃんとやっているというお答えが返ってきます。しかしながら、デンタルフロスや歯間ブラシを未使用な上、歯ブラシ自体も間違った当て方、動かし方をされている方が多いです。
口の中のpHは何もしていない時は6.7位の中性に維持されていて、この状態では絶対に虫歯は出来ません。しかし、糖を含んだ飲食物を摂取するとプラーク中の細菌が酸を産生し、お口の中のpHがどんどん下がっていきます。そして、pHが5.5以下になるとついに歯が溶け始めます!
一度酸性になってしまったpHは、時間が経つと自然にもとのpHである6.7に戻るのですが、pHが5.5以下の状態が長い時間続くと歯が溶け出します。よって間食を控え、正しい道具と方法で歯磨きをしっかりと行い、お口の中のプラークを減らす必要があります。

2.歯周病治療

歯周病

歯周病とは、歯肉炎と歯周炎に分類されます。一過性に腫れている状態を歯肉炎といい、改善できれば健康なもとの状態に戻ることができます。ところが歯周炎になると、歯肉の腫れはもちろんありますが、歯肉が下がってしまい治療しても、炎症等は治りますが、歯肉が下がってしまいます。症状としては
・歯磨きをしていると血が出る
・口臭が気になる
・歯肉が腫れる
・食べているとき歯がグラグラして硬いものが食べられない
などがあります。こういったお悩みを抱えている方は、歯周病にかかっている可能性があります。またご本人が気づかないこともありますので定期的な検査がお勧めです。
歯周病を放っておくリスクについて歯周病を放っておくと、歯を支えている組織が衰えていき、歯がぐらつき始めます。また炎症の進行によっては膿がでてきて口臭もひどくなり、やがて歯が抜けてしまいます。歯周病の症状はお口の中だけにとどまりません。全身疾患を引き起こす可能性があります。歯の周辺から入り込んだ歯周病菌が体中に広がり、肺炎や心臓病、糖尿病など、様々な病気の引き金となるのです。

歯周病の治療方法と予防方法

<歯ブラシ指導>
歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシのいずれか、あるいはすべてを使っていただきたいです。お使いになる道具がご理解いただけたら、実際にどのようにあてて動かすかマスターしていただきます。私たちは生活習慣の見直しについて親身になってお話を伺い、心がけていただいたほうがいいことをお伝えさせていただきます。
<スケーリング&ルートプレーニング>
歯面に付着した歯石を取っていきます。歯石は歯垢が唾液と反応し、石のように固く歯面に付着するため、歯ブラシでは取り除くことが出来ません。
歯科衛生士が超音波振動する機器やハンドインスツルメントを使って歯石を取っていきます。
歯石を除去することで、歯の表面を滑沢にしてプラークの付着を減少させると共に、歯周ポケット内の環境の改善と歯肉の炎症を取り除くことで、歯周ポケットを浅くしていきます。
<歯周外科処置>
まれに外科的治療(歯肉剥離掻把術等)を行った方が良い場合があります。

3.歯を失ってしまった場合の治療

一人ひとりに合った治療方法を数通り提案できると思います。

入れ歯

入れ歯は歯を削らなくて済むので、歯の負担を抑えることができます。また歯に引っ掛ける針金も目立たなくする工夫もあります。
「入れ歯を作ったけど、どうもしっくり来ない」
「入れ歯が当たって痛い」
といった方は是非ご相談ください。
噛み合わせが悪いと他の歯に悪影響を与えたり、歯肉を傷つけたりと様々な症状を引き起こすことも考えられます。患者さんが違和感なく使っていただけるよう、入れ歯を調整して噛み合わせを良くし、最適なものへと改善いたします。

ブリッジ

ブリッジは欠損した箇所の両隣の歯をたくさん削り、支持として使って失った歯を補う治療です。ブリッジは取り外す必要がないため、違和感なく使用して頂きます。ただし、両隣の歯を削る必要があり、さらに力学的に負担がかかります。そのため、当院ではブリッジの設計をする際の診断を慎重に行っています。

歯科矯正(自費診療)

奥歯が抜けてしまった場合など、埋まっている親知らずがあれば、きちんと咬める位置まで移動することができます。奥歯が抜けた方に埋まっている親知らずを、ゆっくり引っ張り上げて咬めるようにしましょう、と提案すると目を白黒させて驚いています。自分の歯できれいな歯並びが回復できることもありますので、非常に有効な治療方法です。

インプラント(自費診療)

人工歯根(チタン製)をあごの骨に直接埋め込みます。ブリッジと違い歯を削らなくてもかみ合わせが回復できます。また、入れ歯のように違和感があったり、着脱の煩わしさはありません。しかしながら、あごの骨が十分な量でなかったり、骨密度が低下している場合は適応になりません。術前に、精密な検査と診断が必要です。

何も治療しない

治療しないことがまれにあります。いかなる治療もメリットが薄く、何も治療しなくても咀嚼効率があまり悪くなかったり、今後歯並びを悪化させる心配がない時です。患者さん自身で、何も治療しないことを選択するのではなく、高度な専門知識を元に診断させていただきます。

など様々な選択肢があります。

4.予防処置

もっとも歯科医として大切だと思っております。患者さんの中には『どこも痛くないのに来て良いのですか?』と遠慮がちにおっしゃる方がおりましたが、『悪くさせないために私は診療しているのですから、計画的、定期的にお越しください』とお伝えしております。
特に虫歯の予防は永久歯が生えてくる小学校低学年から中学校卒業まで定期的に実施することが絶対に必要です。シーラントやフッ素塗布を少なくとも半年毎に継続しましょう。
歯周病の予防は、特に歯周ポケットが深い方にお勧めしております。歯磨きが上手な方も深い歯周ポケットをもっていると、細菌が深いポケットに残留して急性症状を起こして腫れたりするためです。
また、多くの被せもの、詰め物ををお持ちの方もトラブルが起きやすくなっておりますので、定期的にチェックが必要です。自分のお口の中は自分ではほとんど見ることができないのですから、第三者の目が行き届くことで、早期に疾患の発見ができます。

5.歯科矯正

悪い歯ならびや噛み合わせを、きちんと噛み合うようにして、きれいな歯ならびにする歯科治療です。しかし、きれいな歯ならびにするために、歯を削って「差し歯」にすることは、基本的にはありません。矯正装置を通じて、歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かして、歯ならびと噛み合わせを治していきます。また、医療行為ですから、単に審美性を求めて治療するのではなく、歯並びが適切になることによって咬みやすく、磨きやすくそして長くそのような状態が続けられるようにするための医療です。ただし、長い治療期間をがんばったご褒美に、素晴らしい口元がプレゼントされます。
治療期間は、常態によって様々ですがおおむね2年程度で完了いたします。個人差があるのでご相談ください。
治療は早く開始すべきか? 小学生から中学生に治療開始することが多いのです。永久歯が生えそろい、あごの成長も予測可能な年齢が最適でしょう。統計学的にも早期に初めても永久歯が生えそろってから始めても結果に大きな違いがないことがわかっています。また、近年では中・高年の方々も治療が可能となってきました。しかし、その年齢では成長・発育は終了しており、顎や歯の移動が円滑でないため治療期間が長くなることが多いようです。
患者さん一人一人まったく状態が違いますので、矯正相談は無料で受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

6.インプラント

人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に歯を作っていき、本物の歯と同等に機能させることができる治療です。手術は局部麻酔を行ってから1本埋入するまで30分~1時間で終了します。骨に人工の歯根を入れるというイメージだけで痛そうに思われるかもしれませんが、実際には麻酔を行っているので痛みはほとんどありません。もちろん、術前の説明もきちんと行っておりますので安心してご相談ください。

7.ホワイトニング

専用のマウスピース(カスタムトレー)を使って自宅でホワイトニングする方法で、歯科医師の指導のもとで行います。まず、患者様の歯型に合わせた専用のマウスピースを作成します。その後、ご自宅でそのマウスピースに漂白剤を入れて一日数時間、数日間装着していただきます。自宅で都合のよい時間に行える手軽なホワイトニングですが、効果が現れるのに通常、2週間~1ヶ月程度かかります。
神経を取ってしまった前歯の変色は、歯の内部にお薬を入れてホワイトニングをします。通常週1回来院していただき、3回の漂白剤の入れ替えで終了となります。

8.セラミックの被せもの

形の悪い差し歯、被せ物、 虫歯で歯が欠けている場合などに用いられる方法です。保険診療で扱うような銀歯ではなく、 見た目が非常に自然に近い色調に合わせることができます。特徴を上げると

・天然の歯のように透明性のある美しい仕上がりになる。
・歯の色や白さを思い通りにでき、治療後の変色もない。
・金属を使用しないため、金属アレルギーを起こすことがない。
・歯肉となじみやすく、周辺の歯肉に悪影響を及ぼすことがない。

ただし単なる見た目だけの治療ではなく、歯の長期的健康まで含めて治療することが大切なので、たくさん歯を削らなくてはいけない場合お勧めしません。

9.保険外の入れ歯

保険の範囲内では製作できない義歯があります。例えばバネが見えない審美的な入れ歯や、適合の良い材質の入れ歯、あるいは弱い力でも効率よく噛める歯を使った入れ歯などです。そのような義歯は保険外で製作することになります。ただし、保険外の入れ歯を作るのは、現在入れ歯をお使いで、さらに良いものを求める方に限らせていただきます。特に一度も入れ歯を作ったことがない方は、まず保険の入れ歯で練習するべきです。どんなに高価な入れ歯も自分の歯があった時とは異なりますから、過大な期待は禁物です。